先日、コロナショックの影響で仕事が激減し、給料を支払うのが難しくなったことにより600人の運転手が全員解雇されました。

しかし、その後に運転手が「全員解雇」の撤回を要求するまでに事態が発展したようです。

600人全員解雇!コロナ収束後の運転手再雇用は本当なのか。

経営者側の言い分としては、このまま雇い続けて休業補償を受けるよりも一度解雇をして失業手当を受給した方が双方にメリットがあるとのとことでした。
タクシー業界では歩合給がほとんどなので、基本給は低く設定されているのがほとんどです。
基本給が6万円の設定だったりするので、休業補償を受けたとしても基本給の6割しか貰えなければ、運転手の手取りは雀の涙ほどしか貰えないことになるのです。
そう考えると雇用保険を利用した方が十分に運転手の生活費を確保出来ると判断したようです。
そして「自己都合」の退職では最大118万円にしかならないところを、「会社都合」であれば1週間後に最大260万円の金額が適用されるのです。
「自己都合」であれば最大118万円で、給付自体も最短で3ヶ月後まで待たなければいけないこともあり、それらを考慮して天秤にかけた上でこのような決断をしたようです。
合理的ではあるが、人は合理性だけでは安心出来ないようだ。

確かにこのやり方で今回のコロナショックが収束するまで、何とか延命処置をすることが出来そうではあるのですが、正直給付期間が終わった後に果たして本当に再雇用されるのかが問題点となっています。
結果的にコロナが収束しなければ、従業員はまた職探しをしなければならず、それはタクシー運転手よりも遥かに給料の低い仕事にしか就けないリスクがそこには存在するからです。
頭では合理的な判断であると分かっていても、終身雇用が当たり前となった日本ではやはり解雇された後の生活は不安が付きまとうものです。
そのまま職にありつけず、生活保護に陥るパターンだってあり得ます。
むしろ生活保護を受けることが出来れば良いぐらいでしょう。
受給条件から外れてしまえば、そのままホームレスとなり、二度と社会復帰出来なくなるパターンもあり得ますし、そのまま自殺という考えが頭をよぎれば、命を失うことにもなりかねません。
人間というものは究極的に追い詰められてしまうと、合理的な判断が取れなくなり、死ぬ必要なんて無いにも関わらず、日常の苦しさから命を絶ってしまうことがあり得るのです。

現に日本での自殺者の人数はもはや異常の数値を示しています。
コロナ収束後は再雇用を約束するとは口では言ってますが、正直なところ全員再雇用する保証などどこにも無いのが現状です。
安易な解雇が当たり前になる。

専門家に見方によれば、今回の大量解雇により安易な解雇をする企業が今後増える可能性を示唆しています。
とは言え会社も本当に従業員に支払う金が無ければ、最終的には破産する道以外無いのですから、苦渋の決断だったとも言えます。
その中でも建前上では再雇用すると言っても、やはり人員整理のチャンスでもあるのですから、全員が全員戻れるとは限らないでしょう。
元から従業員として不要に思われていた者は、何かしらの理由で再雇用の機会ば失われるのではないでしょうか。
理由なんて後でいくらでも付け足しできるのですから。
結論:「雇う側」と「雇われる側」が理解し合うことはほぼ皆無。

結局のところ経営者と従業員はそもそもの仕事に対する責任や覚悟、目的が違い過ぎて、双方がお互いに納得した働き方をするのはほとんど無理なのが分かります。
労働する側は生活の安定を求めて、基本的にやりたくもない仕事をしているのがほとんどなわけです。
もちろん一部の人は除きますが。
そして経営者は利益を追求して、株主に還元しなければならないので、どうしても売り上げや利益の数字に徹底して拘(こだわ)らなければならない背景があります。
元々の目指している目標がそもそも違うので、双方が納得するような選択肢は無いのではないでしょうか。
どちらかが折れて、何となく間をとって納得するような形に落とし込むことでしか、終えることは出来ないと思います。
今回の大量解雇に関しては、コロナ収束後にまた全員が再雇用されるのかどうか分かりませんが、そういった面を考えると事前にどうなってもいいように準備と覚悟が必要になりそうですね。
私も今の仕事に就かなければ、タクシー運転手をやる予定でしたので、何だか他人事のように思えなかったです。
昨年の10月に転職してきて、もしこのタイミングで解雇となると恐らく心がへし折られる思いであったことが予想されるからです。
今勤めている会社も人員削減を進めていて、今後人を増やす予定は無いという話を聞いたので、私もいつ首切りに合うか分からないのです。
そのいざという時の為に、今のうちに虎視眈々と自力で生活出来るよう、計画を進めて参ります。
今現在の生活は一生続くとは限らないのです。
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