毎年お正月を迎えると「初詣」に行く方は多いかと思いますが、どうやら「初詣」とは昔からの風習では無いそうです。

正月三が日の初詣は創られた伝統だった。

私達、日本人は当たり前のように毎年、年が明けるたびに初詣に行っていますが、そもそも初詣自体が新年が明けてからやるような行事で無いことが分かっています。
「初詣」とは明治中期の時代に鉄道会社が集客をする為に意図的に「創られた伝統」だったのです。
これを見たときにタダの商業的な行事だったのかと思って少し残念に思いました。
日本の伝統的文化として教えられてきたものが、集客の為の行事だという事になると、それはもはやバレンタインやクリスマスなどのイベントとさほど変わらないようなものなのかと。。
本来のお参りとは、その年1年の穢(けが)れを落として新年を迎える為に年末に参拝するべき姿であるようです。
明治時代以前の「神社」や「寺」はもっと身近な存在

明治時代以前の人々の間では神社や寺というものが、現代社会よりももっと身近な存在であったので、今よりも頻繁にそのような場所へ行くことも多かったのです。
初詣がない時代でしたが、行事には「年籠もり」「二年参り」「恵方参り」などの様々な行事が当たり前に行われていたのです。
年籠りとは
大晦日から元旦の朝にかけて、家長(かちょう:家を代表する者)がその土地の氏神様をまつった神社に泊まり込み、夜通しその年の豊作や家内安全などを祈願しました。これを「年籠り(としごもり)」といいます。
出典:京都地主神社
二年参りとは
大晦日と新年の2回参詣する形になる、年またぎの初詣は『二年参り』です。「前年と新年に2回参拝したことでご利益が2倍になる」として、地方各地で習慣化されていました。
出典:@DIMEより
恵方参りとは
毎年、恵方と呼ばれる一年間通しての吉方があります。古来は正月行事として、自宅から見て、恵方に当たるお寺や神社を元日に参拝して開運を祈りました。これを恵方詣りといいます。
出典:飛不動尊 正宝院
除夜の鐘も元々は年を跨いでやるもの

除夜の鐘は107回までは大晦日に行い、最後の1回は日付が変わった元旦に鳴らされて、そこで初めて参拝を行ってから帰るというのが本来の在り方だそうだ。
最近では除夜の金がうるさいというクレームも多くなり、その年末行事すらも失われつつあります。

神社と鉄道会社のタイアップが「初詣」

1872年に新橋~横浜間の鉄道が開通して以降から「初詣」という言葉が新しく創られて、今では初詣は正月にやるもの当たり前の行事として浸透しているのです。
結局は商業主義の産物であり、本来初詣は今の暦ではなく、旧暦に従うべきなのでは・・・という疑問も出てきています。
結論:初詣は形式にこだわらず行ける時に行けばいい

しかし形式にこだわるならば旧暦に従い、その様にするべきですが、現代人の休みなどを考慮すると正月の三が日にやるのが一番無難なのかもしれませんね。
年末は仕事漬けの人も多いですし、正月に初詣を行うのはもはや時代の流れだというのが何となく感じ取ることが出来ます。
暦通(こよみどお)りに行ったとして、果たしてどれ程の人達が来る様になるか。
むしろ初詣という行事すら面倒になって参拝しなくなる人の方が増えそうなので、行ける時に行けば良いのでしょう。
コメント